中国語は、世界で最も多くの人が使用している言語の一つであり、国連の作業言語の一つでもあります。中国語の歴史は古く、約6000年前の黄帝時代まで遡ることができます。中国語は豊かな文化的な内涵を持ち、中華文明の重要な担い手です。中国の歴史と文化をよりよく理解すれば中国語を学ぶに役立ちます。
中国語の歴史
歴史上、中国語は上古中国語、中古中国語、近代中国語の3つの段階を経て発展してきました。
上古中国語
上古中国語は、秦朝時代の中国語を指し、その音声体系は一般的に上古音と呼ばれ、「詩経」や形声字の古韻から推測されます。文字は甲骨文、金文、篆書、隷書が使用されました。
上古中国語の音声体系は比較的に複雑で、声調、韻母、声母などがあり、上古中国語の語彙も比較的に豊富で、現在も使用されている語彙が数多くあります。
中古中国語
中古中国語は、隋朝から宋朝までの中国語を指し、その音声体系は一般的に中古音と呼ばれ、等韻と韻図によって記録されています。文字は楷書が使用されました。
中古中国語の音声体系は、上古中国語と比べて大きな変化が生じ、声調は4つから6つに増えました。中古中国語の語彙もさらに発展しました。
近代中国語
近代中国語は、明末清初以降の中国語を指します。近代中国語の音声体系は、中古中国語と比べてさらに変化が生じ、声調は6つから4つに減りました。近代中国語の語彙も大きな変化が生じ、多くの新語彙が出現しました。
中国語の定義
中国語は、漢蔵語系漢語族に属する声調言語であり、声調、韻母、声母などの特徴を持つ言語です。また、漢字を文字体系として使用します。
中国語の定義は以下の4つの側面から理解できます。
- 音声
中国語は声調言語であり、声調、韻母、声母などの特徴を持ちます。声調は、音の高低によって意味を区別するものです。韻母は、音節の中核となる母音です。声母は、音節の頭子音です。
- 語彙
中国語の語彙は非常に豊富で、現在も使用されている語彙が数多くあります。これは、中国語が長い歴史の中で様々な文化や言語の影響を受けながら発展してきたためです。
- 文法
中国語の文法は比較的シンプルで、名詞や動詞の活用など、日本語のような屈折変化がありません。そのため、中国語の学習者にとって文法は比較的習得しやすいと言えます。
- 文字
中国語は漢字を文字体系として使用します。漢字は、象形文字から発展した表意文字であり、1つの文字が1つの意味を表します。そのため、漢字を覚えることは、中国語の学習において重要な課題となります。
中国語の種類
中国語は多様な種類に分けられ、以下のような観点から分類することができます。
地域による分類
地域分布に基づくと、中国語は北方方言と南方方言に分類されます。北方方言は、北京語を中心に、中国の北部地域で話されています。南方方言は、広東語を中心に、中国の南部地域で話されています。
- 北方方言:北京語を中心とする方言群で、官話、晋語、冀魯官話、東北官話、中原官話、蘭銀官話、江淮官話、西南官話など。
- 南方方言:呉語、閩語、粤語、客家語、贛語、湘語など。
歴史的発展による分類
- 上古漢語:先秦時代の漢語。語音体系は上古音と呼ばれ、文字は甲骨文、金文、篆書、隷書など。
- 中古漢語:隋から宋時代の漢語。語音体系は中古音と呼ばれ、文字は楷書。
- 近代漢語:明末清初以降の漢語。
使用者による分類
使用者に基づくと、中国語は普通話、広東語、呉語、閩語などに分類されます。普通話は、中華人民共和国の国語であり、北京語を基礎として形成されました。広東語、呉語、閩語などは、中国の南方地域で話されている方言です。
- 普通話:中国大陸の標準語。
- 広東語:香港、マカオ、広東省などで話される。
- 呉語:上海、江蘇省南部などで話される。
- 閩語:福建省、台湾などで話される。
上記以外にも、様々な視点から中国語を分類することができます。
中国語種類ごとの特徴
以下では、中国語の主な種類とその特徴を簡単に紹介します。
北方方言
- 漢語の中で最も広く話されている方言で、使用人口は約7億人(漢族全体の約70%)。
- 4つの声調(陰平、陽平、上声、去声)を持つ。
- 入声がない。
南方方言
- 漢語の中で2番目に広く話されている方言で、使用人口は約2億人(漢族全体の約20%)。
- 5つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声)を持つ。
普通話
- 中華人民共和国の国語であり、国連の作業言語の一つ。
- 北京語を基盤に、北方方言を主とし、一部の南方方言の音声、語彙、文法を取り入れて形成された。
広東語
- 漢語の中で3番目に広く話されている方言で、使用人口は約8千万人(漢族全体の約5%)。
- 6つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声、陽上)を持つ。
- 中世漢語の音声特徴の一部を残している。
吳語
- 漢語の中で4番目に広く話されている方言で、使用人口は約6千万人(漢族全体の約8%)。
- 4つの声調(陰平、陽平、上声、去声)を持つ。
- 一部の地域では入声を残している。
閩語
- 漢語の中で5番目に広く話されている方言で、使用人口は約3千万人(漢族全体の約4%)。
- 7つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声、陰上、陽去)を持つ。
上記は、中国語の主要な種類と特徴の簡単な紹介です。中国語には多様な種類があり、それぞれに独特な特徴があります。中国語を学ぶためには、それぞれの種類の特徴を理解することが重要です
上記の種類以外にも、中国語には以下の種類があります。
客家語
- 使用人口は約3千万人(漢族全体の約4%)。
- 5つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声)を持つ。
- 中世漢語の音声特徴の一部を残している。
贛語
- 使用人口は約2千万人(漢族全体の約3%)。
- 7つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声、陰上、陽去)を持つ。
湘語
- 使用人口は約1千万人(漢族全体の約2%)。
- 7つの声調(陰平、陽平、上声、去声、入声、陰上、陽去)を持つ。
これらの方言は、使用人口は比較的少ないですが、漢語の重要な構成要素です。
補足
*中国語は、世界で最も話者が多い言語の一つであり、約13億人が話していると言われています。
*中国語の方言は、互いに大きく異なる場合があり、意思疎通が難しいことも、たまにあります。
中国語話者数
2022年の統計データによると、中国語話者数は約13億人で、世界人口の18%を占めています。そのうち、中国語を母語とする人は約12億人で、世界人口の16%を占めています。
使用人口数で言えば、中国語は英語に次いで世界で2番目に話されている言語です。
中国語話者は主に中国大陸、台湾、香港、マカオ、シンガポールなどに分布しています。また、世界各地の華人コミュニティにも多くの中国語話者が存在します。
中国の経済発展と国際的な影響力の拡大に伴い、中国語の利用範囲は世界中で拡大しています。グローバル化時代における競争力を強化するために、中国語を学習する人がますます増えています。
以下は、中国語話者数が多い国と地域です。
- 中国大陸:12億人
- 台湾:2300万人
- 香港:750万人
- マカオ:68万人
- シンガポール:570万人
- マレーシア:670万人
- インドネシア:200万人
- アメリカ:350万人
- カナダ:170万人
- オーストラリア:120万人
これらの国と地域は、中国語を主に使用地域であり、中国語の普及に重要な役割を果たしています。
まとめ
中国語は、世界で最も多くの人が使用している言語の一つであり、豊かな文化背景を持つ言語です。中国語を学ぶことは、中国の歴史と文化を理解する上で非常に役立ちます。