亜熱帯地域に位置する台湾の夏は非常に暑く湿度も高いです。気温を30℃超えも珍しくありません。しかし、そのような環境下でも、台湾人が熱中症にかかる確率は比較的低いと言われています。熱中症対策ももちろん重要ですが、体感温度は日本よりも高いはずなのに、台湾人は夏バテしない、熱中症も少ないと言われているのは、なぜなのでしょうか?その真相を探っていきましょう!!
理由
台湾人が夏バテしない、熱中症も少ない理由は、いくつかの要因が考えられます。
食生活
台湾の食生活は、日本よりも野菜や果物の摂取量が多く、油や糖分の摂取量が少なめです。そのため、体内の水分量や電解質のバランスが崩れにくく、熱中症になりにくいと言われています。また、日本は当たり前のように
食習慣
台湾では、昔から「涼茶」と呼ばれる漢方茶を日常的に飲む習慣があります。涼茶には、清熱解毒や利尿作用があり、体内の余分な熱を排出する効果があります。
環境
台湾は、日本よりも湿度が高く、日差しも強い環境です。そのため、台湾人は自然と暑さに適応しており、体温調節機能が優れていると言われています。
涼茶とは
涼茶は中国広東省発祥で清熱解毒、消暑利尿の伝統的な漢方茶(薬草茶)です。暑い夏に多くの人に飲まれています。
涼茶の特徴
- 植物(根、葉、樹皮、花、種子)を材料とする
- 黒色または茶色が一般的
- 苦味や甘味など、様々な味がある
- 体質や症状に合わせて、様々な種類から選べる
涼茶の種類
涼茶は、薬性、香り、体質によって、以下の3種類に分類されます。
- 苦寒瀉火除濕:熱を冷まし、湿気を取り除く
- 甘涼清熱除鬱:熱を冷まし、気分を落ち着かせる
- 甘涼清熱潤燥:熱を冷まし、体内に潤いを与える
涼茶の効能
涼茶には、以下のような効能があります。
- 体内の熱を冷ます
- 解毒作用
- 利尿作用
- 夏バテ予防
- 熱中症予防
涼茶の歴史
涼茶は嶺南地方(広東省、広西省、海南省)で古くから親しまれてきました。民間で病気の予防や治療のために用いられていた民間療法が、徐々に日常的な飲み物へと変化しました。
現在では、広東省、香港、マカオだけでなく、東南アジアや欧米などにも広がり、多くの人に愛されています。
涼茶の作り方
涼茶は、複数の薬草を組み合わせて作られます。
- 材料を洗い、水に浸しておく
- 必要に応じて、塩漬け、蜜漬け、日干し、酒炒りなどの処理を行う
- 薬草を順番に加えて煮出す
- 煮出した後、しばらく蒸らす
- 濾して飲む
*このまま飲むのが一番いいですが、大半の涼茶は苦くて飲みづらいので、砂糖で苦味を調和して飲むの一般的です。
涼茶は、暑い夏を乗り切るための伝統的な薬草茶です。様々な種類があり、それぞれ異なる効能を持っています。ぜひ、自分の体質や好みに合わせて選んでください。
代表的涼茶の種類
涼茶は清熱解毒、消暑利尿、疾病予防などの効果があり、夏の暑さ対策に最適な飲み物ですが、涼茶はあくまでも漢方茶、薬草茶ですので、過剰摂取には注意しましょう!!
主な涼茶の種類と効能
- 廿四味
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・利尿効果・湿気を取り除き、脾の働きを健全にする
適用症状:暑さで喉が渇く、口内炎、皮膚炎、排尿が困難など - 五花茶
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・利尿効果・血液中の脂質を減らす
適用症状:暑さで喉が渇く、口内炎、高血脂など - 羅漢果茶
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・肺を潤し、咳を止める・喉の渇きを潤し、口内を潤す
適用症状:喉の痛み、喉が乾く、咳など - 夏枯草茶
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・利尿効果・視力を改善し、目の充血や炎症を抑える
適用症状:暑さで喉が渇く、目の充血、目のかすみ、など - 菊花茶
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・視力を改善し、目の充血や炎症を抑える・血液中の脂質を減らす
適用症状:目の充血、目のかすみ、高血壓など - 金銀花茶
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・利尿効果・抗菌作用と抗炎症作用を持つ
適用症状:暑さで喉が渇く、喉の痛み、喉が乾くなど - 涼粉
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・利尿効果・腸を潤し、便秘を解消する
適用症状:暑さで喉が渇く、口内炎、便秘など - 龜苓膏
効果:体内の余分な熱を排出し、デトックス・陰の気を養い、肌を美しく保つ腸を潤し、便秘を解消する
適用症状:暑さで喉が渇く、口内炎、肌荒れ、便秘など
*羅漢果は日本でも有名なラカントの原料となるものです。
涼茶の注意点
涼茶は薬効効果があるため、以下のような場合に注意が必要です。
- 体質によっては、副作用が出る可能性がある
- 冷え性の方は飲み過ぎないように注意が必要
- 妊娠中や授乳中の女性、子供は注意が必要
- 薬を服用中の方は、医師に相談する
- 涼茶は作り置きせず、出来立てが一番効果あるとされている
その他代表的な涼茶
台湾では、暑さ対策として、以下のような涼茶が日常的に飲まれています。
- 仙草茶
- 綠豆湯
- 冬瓜茶
- 苦瓜茶
- 金銀花茶
これらの涼茶は、いずれも清熱解毒、消暑利尿の功效があり、体内の余分な熱を排出し、体内のバランスを整える効果があります。
清熱解毒と消暑利尿の言葉は漢方医学で使われている用語です。
清熱解毒: 体内の熱を冷まし、毒素を排出する
消暑利尿: 暑気を取り除き、利尿作用を促す
台湾の伝統的なスイーツと飲み物
仙草茶
材料
- 仙草乾
- 水
- 砂糖
作り方
- 仙草乾を洗い、鍋に入れ、適量の水を加えて4時間以上浸す。
- 鍋の水を沸騰させ、弱火で30分間煮て、仙草が柔らかくなり、しっかりと栄養素が溶け出すまで煮る。
- 仙草茶を濾し、砂糖を加えて味を調える。
*お好みで好きな砂糖に変えてもOKです。
*砂糖を入れないと苦くても飲めない方もいると思います。
*寒天や澱粉と入れて固まらせて、スイーツ感覚で召し上がってもOKです。
緑豆湯
材料
- 緑豆
- 水
- 砂糖
作り方
- 緑豆を洗い、鍋に入れ、適量の水を加えて2時間以上浸す。
- 鍋の水を沸騰させ、弱火で30分間煮て、緑豆が柔らかくなるまで煮る。
- 砂糖を加えて味を調える。
*出来上がったものを牛乳と一緒にミキサーにかけて、緑豆ミルクにしても美味しく召し上がれます。
冬瓜茶
材料
- 冬瓜
- 水
- 砂糖
作り方
- 冬瓜を洗い、皮と種を取り、食べやすい大きさに切る。
- 冬瓜を鍋に入れ、適量の水を加えて煮る。
- 冬瓜が柔らかくなったら、砂糖を加えて味を調える。
砂糖の配合を調整しシロップにして、さまざまの飲み物の砂糖代わりにしてもOKです。冬瓜は味のしないものですので、日頃の糖分代わりに使うことで効率よく栄養素や効能を摂取することができます。
まとめ
台湾人が夏バテしない、熱中症も少ない理由は、食生活、習慣、環境などの要因が考えられます。これらの要因は、熱中症対策においても重要です。
上記以外にも、台湾には夏の暑さを乗り切るために様々な食べ物や飲み物があります。このブログ次々と紹介していきますので、よかったら、他の記事も読んでみてください。
夏の健康を守るために水分補給をしっかりと行い、バランスの良い食事を心がけましょう。また、適度な運動も大切です。