台湾伝統料理の名脇役ー紅葱頭

料理紹介

紅蔥頭(赤わけぎ)は、台湾料理を語るに欠かせない食材の一つです。台湾の多くの定番料理に使われています。紅蔥頭の独特な香りと辛味は料理に風味と深い味わいを与えます。

紅蔥頭(赤わけぎ)とは

紅蔥頭(赤わけぎ)は多年草本植物の一種です。原産地はアジア中西部で、後に中国南方や台湾に伝来しました。紅蔥頭の鱗茎は、紫紅色の薄膜に包まれ、肉質は浅紫白色です。アジア中西部や中国南方などに分布し、かつては村辺に多く生えていました。現在は人工栽培が盛んになり、アジア各地で調味料用の野菜(香味野菜)として広く利用されています。

紅蔥頭(赤わけぎ)の營養價值

紅蔥頭は栄養が豊富で、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど多様な栄養素が含まれています。特にレモンの2倍に相当するビタミンCの含有量が含まれており、100gあたり約60mg含まれています。

また、紅蔥頭(赤わけぎ)には独特な香りと辛味を生み出す硫化アリル化合物が含まれており、この成分には、抗酸化作用や殺菌作用、血行促進作用などの効果があるとされています。

栄養成分

  • タンパク質:1.2g
  • 脂肪:0.2g
  • 炭水化物:10.6g
  • ビタミンC:60mg
  • ビタミンB1:0.05mg
  • ビタミンB2:0.06mg
  • ニコチン酸:0.5mg
  • カリウム:210mg
  • カルシウム:40mg
  • リン:70mg
  • 鉄:1.5mg

健康効果

  • 疲労回復にいいとされるビタミンB1、B2、ニコチン酸が含まれる
  • 骨粗鬆症予防のカルシウムが含まれる
  • ビタミンCは、抗酸化作用があり、免疫力向上や美肌効果が期待できます。
  • カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。
  • 硫化アリル化合物は、血液をサラサラにする効果や、抗菌・抗炎症作用があります。

紅蔥頭の健康効果

紅蔥頭には消化促進、食欲増進、疲労回復、風邪予防などの健康効果があります。

消化促進

紅蔥頭に含まれる硫化アリル化合物は、胃腸の蠕動を刺激し、消化液の分泌を促進することで、消化を助けます。胃もたれや便秘解消にも役立ちます。

食欲増進

紅蔥頭の香りは嗅覚を刺激し、食欲を増進させます。食欲不振や夏バテなどに効果が期待できます。

疲労回復

紅蔥頭にはビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は、体内の糖質をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。疲労回復や倦怠感の解消に効果が期待できます。

風邪予防

紅蔥頭には、抗菌・抗炎症作用のある硫化アリル化合物が含まれています。風邪の予防や初期症状の緩和に効果が期待できます。

脳の活性化

紅蔥頭の辛味成分は脳を刺激し、脳の活性化に効果があります。

冷え性予防

紅蔥頭は温性なので、冷え性予防に効果があります。

使い方

紅蔥頭の食用方法は様々で、生食、炒め物、煮物、揚げ物などがあります。

生食

紅蔥頭をよく洗い、細切りにしてそのまま食べたり、醤油や酢などの調味料に合わせて食べたりします。

炒め物

紅蔥頭をよく洗い、細切りまたはみじん切りにして、他の食材と一緒に炒めて食べます。

煮物

紅蔥頭をよく洗い、薄切りや軽く潰して、他の食材と一緒に煮て食べます。

揚げ物

紅蔥頭をよく洗い、みじん切りにして、きつね色になるまで揚げて食べます。

その他

  • 紅蔥頭は、細かく刻んで、薬味としても様々な料理に使えます。
  • 紅蔥頭を油で揚げて油蔥酥を作ると、長期保存が可能になり、様々な料理に活用できます。
  • 紅蔥頭は栄養価が高く、健康に良い効果が期待できる食材です。ぜひ、日々の食生活に取り入れてみてください。

注意事項

  • 紅蔥頭を食べ過ぎると、胃腸障害を起こす可能性があります。
  • 胃腸が弱い方は、生食は控え、炒めて食べるなど、消化しやすい方法で食べることをおすすめします。

紅蔥頭を使った代表的台湾伝統料理

以下は、紅蔥頭が使用されている代表的な台湾料理です。

滷肉飯(ルーロー飯)

滷肉飯は、台湾の国民的ソウルフードともいえる料理です。豚バラ肉を醤油などで煮込んだ滷肉と、白米を組み合わせて作ります。

滷肉を煮込む際に、紅蔥頭を加えることで、香りを引き立たせ、風味豊かな味わいになります。

日本で食べるルーロー飯のほとんどが五香粉か八角を入れてますが、個人的な観点ですが、その味が邪道のように感じます。全然、台湾風じゃないといつも思ってます。台湾ルーロー飯といえば、やはり紅葱頭を入れないとルーロー飯じゃない気がします。

蚵仔煎(オーアージェン)

蚵仔煎は、新鮮な牡蠣、卵、片栗粉などを混ぜて作った液体生地を焼いた、台湾の代表的なB級グルメです。特製の甘辛いソースをかけて食べます。このソースには、紅蔥頭が欠かせません。紅蔥頭の風味が加わることで、蚵仔煎の味わいに深みが増します。

蔥油餅(ネギチヂミ)

蔥油餅は、台湾の定番朝食メニューの一つです。小麦粉、ネギ、油で作るシンプルな料理ですが、紅蔥頭を加えることで、香ばしさがアップし、より味わい深くなります。また、朝食だけではなく、台湾へ行ったら、屋台形式で売ってるところも多く、小腹が空いた時にもオススメです。

油蔥酥

油蔥酥は、紅蔥頭を油で揚げて作られる調味料です。炒め物や煮込み料理、スープなどにトッピングすることで、香りと食感をプラスすることができます。

上記以外にも、肉燥(肉そぼろ)、滷味(煮込み料理)、スープなど、様々な台湾料理に紅蔥頭が使用されています。紅蔥頭は、台湾伝統料理に欠かせない、まさに万能調味料と言えるでしょう。

紅蔥頭の産地と利用

紅蔥頭は、アジア中西部原産の食材で、その後中国南方、台湾、日本、韓国、東南アジアなどへ伝播しました。アジア料理のみ使われていると思われますが、実はこれらの地域で広く利用されています。

  • アジア:中国、台湾、日本、韓国、ベトナム、タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン
  • ヨーロッパ:フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、トルコ
  • 北米:アメリカ、カナダ
  • 南米:ブラジル、アルゼンチン
  • 大洋州:オーストラリア、ニュージーランド

使用国・地域によって、紅蔥頭の用途は異なります。

  • アジア:主に調味料として使用。炒め物や煮込み料理の香り付け、味に深みを与え、色鮮やかにするために用いられる。
  • ヨーロッパ、北米、南米、大洋州:主に食材として使用。サラダ、スープ、シチューなどの料理に用いられる。

まとめ

紅蔥頭は、世界中で愛される食材であり、様々な料理に活用されています。その用途は国・地域によって異なりますが、いずれも料理に欠かせない存在と言えるでしょう。

台湾を訪れた際や自宅で本格的な台湾料理をチャレンジする際には、ぜひ紅蔥頭を使ってみてください。

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